Jun 03, 2011
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夏の甲子園大会第5日の10日、2年ぶり6回目の出場の日本文理は第1試合で強豪の日大三(西東京)との初戦に臨み、3−14で敗れた。序盤に柄沢友哉選手(2年)の左中間を破る適時三塁打で先制したものの、日大三の主戦・吉永健太朗投手(3年)の前に4安打に抑え込まれ、九回を除いて毎回の13三振を喫し、完敗。涙をのんだ。しかし、最後まであきらめずに戦い続けた選手たちに、スタンドからは惜しみない拍手が送られた。【川村裕太郎、長田舞子】
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▽1回戦
日大三
000231404=14
020001000=3
日本文理
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対戦決定後、徹底して取り組んできた吉永投手対策。速球と多彩な変化球に対応する集中練習の成果は二回裏に実った。2年生コンビの早津勇人選手が中越え二塁打で出塁すると、柄沢選手が左中間を破る適時三塁打を放って先制。さらに、相手の悪送球の間に柄沢選手がそのまま生還し、2点目を奪った。「新潟大会で打てなかった。やっとチームに貢献してくれた」と柄沢選手の父勝己さん(42)は手放しで喜んだ。
だが、中盤から日大三の強力打線が目を覚ます。四回表に鈴木貴弘選手(3年)の適時打で同点にすると、五回表に金子凌也選手(2年)の勝ち越し適時打と続き、極めつけは畔上(あぜがみ)翔選手(3年)の2点本塁打。「球数が異様に多く球威が落ちていた」と波多野陽介投手(2年)はうなだれた。
4点を追う六回裏、高橋洸選手(3年)が意地を見せる。「何が何でも打ってやると思って打席に入った」。甘く浮いた直球を迷わず振り切り、左前適時打を放ち3点目を奪った。母佳代子さん(41)は「打ってくれると思っていた。チーム力はあるので勝つことを信じている」とあきらめなかった。
だが流れは変えられない。七回と九回に連打を浴びて追加点を許し、点差は広がった。五回途中からマウンドを託された田村勇磨投手(2年)は「調子は悪くなかった。相手の打線が完全に上回った」と完敗を認めた。
持ち味の文理打線は、期待の湯本翔太選手(3年)が無安打で完全に封じ込まれるなど吉永投手に4安打に抑え込まれ、日大三の全員安打の19安打に圧倒された。秋山将輝主将(同)は「自分たちの野球がまったくできず申しわけない」と反省の弁とともに、後輩に雪辱を託した。
◇豪雨の被災者激励
○…日本文理の応援団の最前列には、「がんばろう新潟」のプラカードが並んだ=写真。7月下旬に新潟と福島を襲った豪雨。床下、床上浸水などの被害を受けた生徒も数多くいた。生徒を含めて被災した人たちを励ましたいという願いを込めて作った。プラカードを手にした近藤由理さん(3年)は「新潟で水害にあった人たちを元気づけたい。そのためにも、選手たちには頑張って必ず勝ってほしい」とエールを送っていた。
◇即席チアリーダー
○…日本文理の一塁側応援席にはチアリーダー17人が登場。真っ青な衣装に身を包み、息の合った華やかな踊りでアルプススタンドを彩った。同校にはチアリーダー部がないため、新潟大会8強入り決定から優勝を見越してメンバーを公募。バレー部やテニス部などから集まり、毎日約2時間の練習に励んできた。バレー部の副部長でリーダーを務める小俣(おまた)真澄さん(3年)=写真、は「文理らしく粘り強く戦ってほしい」と声援を送った。
◇生徒ら60人がTV前に声援−−留守部隊
新潟市西区の日本文理高校では、4階の視聴覚室で生徒や教職員ら約60人が大型テレビを前に声援を送った=写真。
二回裏、柄沢友哉選手の適時打で先制すると「やった」などと歓声が沸いた。しかしその後、日大三に逆転を許し苦しい展開。生徒らは文理ナインがアウトを取るたびにメガホンを打ち鳴らした。九回裏、代打の吉田由宇選手(3年)が右翼線に鋭い打球を放つと「いったぞ」と大きな声が上がったが、外野手の好捕で、ため息に変わった。
野口竜義選手(2年)と同じクラスの川崎真実子さん(同)は「帰ってきたら『お疲れさま』と迎えたい。来年もまた甲子園を目指してほしい」と話した。【塚本恒】
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■青春譜
◇支えてくれたナインに感謝−−日本文理3年・高橋洸(こう)三塁手
昨秋、高橋洸選手(3年)は失意のどん底にいた。中学時代からずっと投手。それが、自身の不調と、田村勇磨投手(2年)や波多野陽介投手(同)の台頭により、大井道夫監督から野手転向を命じられた。「自分を否定されたようだった」
そこから高橋選手ははい上がった。「やるからには一流を目指す」。チーム練習が終わっても一人でバットを振り続けた。プライドも捨てた。同級生で入学時からスタメンの湯本翔太選手(3年)に「打てるようになるにはどうすればいい?」と教えを請い、アドバイスに必死に食らい付いた。重ねた努力が、湯本選手と並ぶ日本文理の中軸を担う打者に成長させた。
迎えた初戦。日大三の好投にてこずる中、六回1死二塁で左前適時打を放ち一矢を報いた。しかし試合の流れは止められなかった。「何度もやめたいと思ったが、その度にみんながやめるなと言ってくれた。みんながいなければこの適時打は打てなかったし、文理の4番はできなかった」。感謝の涙が止まらなかった。【川村裕太郎】
8月11日朝刊
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